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ポイント管理システムとは?CX向上にどう役立つ?導入メリットや選定ポイントを解説!

アパレルブランドや家電量販店など、さまざまな店舗・サービスに普及しているポイントサービス。近年ではスマートフォンアプリなどで提供する企業も増えてきました。そして、その実現に必要となる「ポイント管理システム」は、顧客情報収集や販促キャンペーンの実行手段という従来の役割だけでなく、新たな顧客体験を創造し、カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上するツールとして注目が高まっています。今回はその導入メリットや、システム選定にあたっての観点をご紹介します。導入検討の参考にご覧ください!

デジタル化進展によるポイントサービスの変化とは?

値引きによる集客から、顧客との中長期的な関係構築に変化

これまでのポイントサービスは、主に値引きによる集客を目的に提供されてきました。しかし最近では、中長期的に顧客との関係性を高め、顧客に対してその店舗やブランドを好きになってもらうためのCRM(Customer Relationship Management)へと、役割は進化しています。

多くの市場が飽和状態にあり、価格や機能では差別化が図りにくい中で、単なる値引き合戦では利益が薄まるだけ。いかに顧客に価格以上の価値を感じてもらうかが重要であり、それがひいてはブランド価値の向上をもたらすことになります。そのためのポイントサービス活用に注目が集まっています。

デジタル化によってCRMに進化

ポイントサービスがCRMとして進化している背景には、デジタル化の進展があります。近年、顧客の来店履歴や購買履歴のデータを取得する仕組みや、その情報を分析する基盤、施策実施のためのマーケティングオートメーションなど、デジタル販促施策を運営する環境が整いました。これに伴い、来店頻度や購買金額に応じたきめ細やかなインセンティブ(ポイント)付与のような、いわゆる「One to Oneマーケティング」の施策にポイントサービスを活用できるようになったのです。

デジタル化進展によるポイントサービスの変化

ポイントサービスを導入するメリットとは?

前述のポイントサービスの目的・役割変化を念頭に置いた上で、あらためてポイントサービスを導入するメリットを考えてみましょう。

➀顧客の来店促進

購入に使えるポイントや、オリジナルグッズと交換できるポイントを付与することで、店舗やECへの初訪・再訪を促進できるメリットがあります。こちらは従来のポイントサービスと同様です。

➁顧客単価アップ

「あと◯円買うと☓ポイント付与!」などのプロモーション施策を通じて顧客にインセンティブを付与し、購入単価アップを促進することができます。このメリットについても従来のポイントサービスと変わりません。

➂CX(カスタマーエクスペリエンス)の高度化、顧客LTV(Life Time Value)の向上

ポイントサービスの目的変化のうちもっとも重要な点は、この「CXの高度化」と「顧客LTVの向上」です。値引きによって短期的に顧客を誘導するよりも、顧客の体験価値を継続的に高めることで中長期的に顧客との関係を築くことが、導入メリットとして重視されてきています。

「ポイント管理システム」とは?

このようなポイントサービスを実現するためのデジタルツールが、「ポイント管理システム」です。

ポイント管理システムとは、来店頻度や商品・サービスの購入額に応じて顧客にポイントを発行・付与する機能、顧客情報やポイント付与などのデータ管理、ポイントサービスを用いた販促施策などを実施する機能、などを持つシステムです。顧客向けには、主にスマートフォンアプリとして提供されるものです。

ポイント管理システムは、単に紙やプラスチックのポイントカードをスマートフォンアプリに置き換えるだけではありません。システム化によって、その機能は大きく拡大しています。

➀顧客管理機能

顧客の個人情報や基本的な属性、過去の来店・購入履歴などをデータベースとして一元管理する機能です。顧客の名前、生年月日、住所などの個人情報は、企業がそれぞれ定めるポイントサービス登録の前提となります。

ポイント管理機能

顧客に付与したポイントを管理する機能です。具体的には顧客へのポイント付与のルール設定(利用金額×一定率を付与する、指定した金額に応じて付与する等)や、有効期限の設定、他のサービスへの交換などを行います。また、顧客に付与したポイント情報が蓄積されます。

プロモーション機能

ポイントサービスを活用した販促施策を実行する機能です。一例として、一定以上の購買実績のある顧客層に対してキャンペーンを実施したり、誕生日に特別ポイントを付与したりすることなどが挙げられます。

➃DM・メルマガ送付機能

メール配信ソリューションと連携して、顧客へDM(ダイレクトメール)やメールマガジンを送付する機能です。全顧客に一斉送信するだけでなく、特定の顧客層に絞り込んで送付することも可能です。

➄ランク機能(ロイヤリティ管理)

上記の来店・購入履歴やポイント付与実績などのデータにもとづき、顧客をランク付けすることも、顧客エンゲージメント強化策として重要な機能の一つです。

ポイント管理システムを選定する際はここをチェック!

ポイント管理システムを選定する際はここをチェック

今日では、さまざまなポイント管理システムがシステムベンダー各社から提供されています。この章では、ポイント管理システムの導入を検討する際のチェックポイントをご紹介します。

➀リアルタイム更新

顧客がポイントを使ったり、ポイントが付与される行動をしたりした時に、タイムラグなくポイント付与処理が行えることが重要です。具体的には、実店舗のPOSレジや決済端末、ECサイト、外部接続先との処理がタイムラグなく行えるかを評価することになります。取引量が多い場合は、ポイント管理システムの負荷が非常に大きくなるので、十分な性能を有しているかは重要な選定の観点になります。

ちなみに、システムの処理能力を測る指標の一つとして、会員数やTPS(Transactions Per Second:1秒間あたりの取引数)などがあります。

➁接続性の高さ

ポイント管理システムは、POSレジやECサイト、社内の分析システムとの接続はもちろん、場合によってはクレジットカード会社のシステムなど、社内外のシステムとの連携が非常に多くなります。オンライン処理、ファイル連携処理などの連携機能が充実していることはもちろん、各種連携先との接続が容易であることや、接続実績が豊富であることも重要なポイントです。

➂自社の顧客に適したランク設定機能やポイント有効期間の設定

例えば、百貨店とドラッグストアでは来店頻度や購入単価が大きく異なるため、ポイント付与の度合いに応じたランク設定の基準も当然異なります。自社が考えるロイヤルカスタマーに即したランク設定が可能かどうかも重要な選定ポイントです。

また、ポイントの有効期間についてもさまざまなパターンがあります。月や年で設定する場合に加え、最終購買日から1年間有効にするといったパターンや、短期的な施策効果を狙う期間限定ポイントなどもあります。

➃キャンペーン設定機能のバリエーション

ランク設定やポイント有効期間に加え、ポイントを活用したキャンペーンにもさまざまなバリエーションがあります。特定期間のキャンペーンや毎月の定期キャンペーン、入会時キャンペーンなど、顧客の属性や店舗に応じたキャンペーンポイント(ボーナスポイント)の設定が可能かどうかを確認しましょう。

➄導入実績・コンサルティング

ポイントサービスは、顧客と結ぶ規約、個人情報管理の各種ルール、会計管理のルールなど、様々な制約に基づいて厳格に運用する必要があるため、一度決めた制度は簡単に変えられません。そのため、制度設計にあたっては、中長期的に顧客との関係性をどう深めていきたいか、将来めざすべき顧客体験(CX)はどうあるべきなのかなどを考えておく必要があります。

したがって、ポイント管理システムの導入にあたっては、単に必要なシステム仕様を満たす製品を選定するだけではなく、ポイントサービスの制度設計も含めた導入コンサルティングから、システム提供、運用、活用まで伴走してくれる、信頼できるパートナーを選ぶという観点が重要です。

➅ポイント運用業務の確実性・実績

システム導入後の運用フェーズにおいては、返品やキャンセルなどのイレギュラー処理や、顧客問い合わせ対応、連携システムとの連携不具合などによるリカバリ対応、個人情報やポイント情報の確実な運用管理などの考慮も必要です。こうした業務対応に十分な実績があるかも確認が必要です。

ポイント管理システムの導入事例

実際にポイント管理システムを導入し、顧客エンゲージメントの向上を実現している企業の事例をみてみましょう。ここでは、NTTデータが提供するポイント/顧客管理SaaS「CAFIS Explorer」を導入している2社の事例をご紹介します。

<事例➀>パルコ「POCKET PARCO」

パルコでは、公式アプリ「POCKET PARCO」におけるポイントサービスとスマホ決済サービスの連携・導入にあたって「CAFIS Explorer」を活用。顧客のシームレスな購買体験と、顧客情報の獲得を同時に実現しています。決済とポイント付与がワンストップかつタイムリーに実現できることに加え、顧客の購買履歴や来店前後の行動情報をCRM施策に活用することで、顧客のCXを向上させ、中長期的なエンゲージメントを築くことができます。

テキストは⾃動で⽣成されます

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<事例➁>JR西日本SC開発「WESPO(ウエスポ)」

「ルクア大阪」「天王寺ミオ」などJR西日本グループのショッピングセンター(SC)の運営・管理および開発を行うJR西日本SC開発では、共通ポイントサービス「WESPO」を運営しています。13あるSCそれぞれの既存のポイント制度を維持しながら共通ポイント化を実現したことで、グループ全体の強みを活かした新たなマーケティング施策を横断的に展開できるようになりました。

例えば、登録された顧客の属性と購買履歴・ポイント使用履歴・イベント参加履歴などと連携させることで、WESPOのアプリ上に表示させるスタンプを個人ごとにパーソナライズさせるなどの施策を展開しています。

テキストは⾃動で⽣成されます

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導入の最大のポイントは「どんなCXを実現したいのか?」

この記事では、ポイントサービスの目的変化から、それを踏まえたポイント管理システムのメリットや、システム導入にあたっての選定ポイントまで一気にご紹介しました。とは言え、ポイント管理システムはあくまで「ツール=手段」。その背景にある、自社が「顧客に対してどんなCXを実現・提供したいのか?」という点が最も重要です。実現したいCXを念頭に、ポイント付与やランク設定のあり方などの具体策が導かれます。

その上で、今回ご紹介したポイント管理システムを選定するためのポイントが、自社にとってどのように重要なのかを考えることが大切です。

監修者:奥崎 篤志

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