
福岡を中心に鉄道・バス・商業施設など幅広く事業を展開されている西日本鉄道株式会社(以下、西鉄)さまとNTTデータが一体となって、商業施設の未来像を考えるプロジェクトに取り組みました。今回は、その最終報告会直後の興奮冷めやらぬ中で、プロジェクト参加メンバーに3か月にわたる取り組みを振り返っていただくと共に、今後の展望について語っていただきました。
商業施設における未来像の共創 ~事業コンセプト言語化の道のり~
ショッピングセンターなどの商業施設は、新型コロナウイルスによって大きな影響を受けた業種の1つです。人々の生活様式が変わっていく中で、ECによるオンラインショッピングの需要が増え、リアル店舗は購買だけではない新たな価値提供が求められるようになりました。
福岡市内を中心にソラリアステージ、ソラリアプラザなど大型商業施設を運営している西鉄さまも、そのような課題感の中で2021年4月に都市開発事業本部の中に構造改革担当を立ち上げ、あらたな商業施設のあり方を模索されていました。そのような状況の中、NTTデータ カード&ペイメント事業部の薄井さんと市木さんが、これまで決済ビジネスを通じて培ったリテール、商業施設の知見を活用し、西鉄さまにおける商業施設の事業コンセプト策定と、今後のデジタル化方針を検討するプロジェクトを2021年4月から3か月間実施しました。

今回のプロジェクトは、西鉄さまがショッピングセンター事業を推進するにあたり、拠りどころとなる軸が決めきれていないという、西鉄さまのご担当者が漠然と感じていた課題感をクリアにするため、未来の西鉄さまのショッピングセンターのあり方を考え、事業コンセプトを言語化するべく始まりました。
3か月の短期間に、4回のワークショップ、インタビュー、アンケート、リサーチなど盛りだくさんの内容に共に取り組んでいただき、西鉄さまのショッピングセンター事業のコンセプトを言語化、今後のデジタルを含めた施策検討における方向性を議論しました。


後列左から:西鉄阿部さん、田中さん、西岡さん、杉町さん
前列左から:NTTデータ市木さん、西鉄安丸さん、NTTデータ薄井さん、西鉄西田さん
新組織のメンバーがひとつになれた3か月
2021年6月の終わり、福岡市内にある西鉄さまのオフィスで、本プロジェクトにおける最終報告会が行われました。その報告会直後、プロジェクト参加メンバーのうち、西鉄・安丸さん、田中さん、西岡さんと、伴走してきたNTTデータ・薄井さん、市木さんに集まっていただき、3か月を振り返ってもらいました。
市木さん:この3か月間、本当にありがとうございました。私はあっという間に過ぎた感じがしていますが、みなさんにとってこの3か月はいかがでしたか?
安丸さん:薄井さん、市木さんのファシリテーションのおかげもあって、とても楽しかったですし有意義な3か月でした。とくに私が嬉しかったのは、当社からプロジェクトに参加したメンバーのことがしっかりと知れたことですね。
私たちが所属する都市開発事業本部の構造改革担当は、今年の4月にあらたに創設された部署です。今回の取り組みを通じて、各メンバーの想いをしっかりと言葉にして共有できたこと、みんなが遠慮せずに議論できる雰囲気を醸成できたのは大きかったですね。

田中さん:自分自身、西鉄に入社してからこれまであまり新規ビジネスやこうした新しいことを考える機会がなかったので、今回は本当に刺激的でよい機会になりました。
薄井さん:私たちも西鉄さまと同じ気持ちで取り組んだつもりではいるのですが、みなさんが非常に熱く取り組まれていたことをひしひしと感じました。そういった熱い想いもあって、今回私たちが開催したワークショップ以外にも、西鉄さまのメンバーだけで議論を重ねたと伺いました。
安丸さん:かなりやりましたね。みんな力が入ってきて熱い議論が交わされて、気づいたら2時間、3時間経っていた、みたいなこともありました。このような日々の議論を通じて、全員がプロジェクトに前向きに関わるようになれたと思いますね。
市木さん:今回の取り組みをNTTデータと実施しようと決めていただいた理由はどういったものだったのでしょうか?
西岡さん:NTTデータさんには昨年からさまざまなご提案をいただいていましたし、他の企業さまとの実績や経験も豊富で、商業施設に関する深い知見もお持ちだと感じていました。今回の取り組みにあたっていろいろなベンダーさんとも会話したのですが、西鉄についてこうすべきではないか?など、つねに私たちのビジネスを自分事として積極的に考えてくださったことは大きかったです。
私たちも原点に立ち戻って、商業施設の今後を考えていく必要があると機運が高まっていたタイミングでしたので、いいタイミングでNTTデータさんにご提案いただき実現できたと思います。

メンバーの想いを“言葉”にする難しさ
市木さん:ワークショップは、新型コロナウイルスの影響もあってオンライン・オフラインを織り交ぜながら実施しました。そんな中で実際に議論をしてみて苦労されたことはあったのでしょうか。


安丸さん:いざ議論してみると、(新組織になって)初めて集まったメンバーだったにもかかわらず、みんなの想いはだいたい合っていました。しかし、その想いをどう言葉にすると社内外に伝わるのか?といったところにはとても苦労しました。
西岡さん:ワークショップのあとに、本当にみんなに伝わるのか?本当にこの言葉でよいのだろうか?とあらためて言葉づかいを見直す議論がありましたね。「人と街が自由に繋がる体験」という言葉を考えたときに、あらためて「街」とはなんだろうと考え直し、一言一句をあらためて練り直すこともやりました。
安丸さん:こういった生みの苦しみはありましたが、ワークショップは毎回楽しかったですね。みんなの想いを言葉にするという前向きな取り組みだったので、辛いと感じたことはなかったですね。
市木さん:私たちのほうではワークショップ前に社内で事前シミュレーションを重ねてから臨んだのですが、それでも本当にみなさんの意見を引き出せるのか不安でした。NTTデータのメンバーはお力になれたでしょうか?
安丸さん:そうですね、想いを言葉にするにあたって、薄井さん・市木さんがこれまでのワークショップでの議論の内容をまとめてくださり、考え方のヒントや議論の内容を基に具体的な案をいくつか提示いただいたことで、効率的にかつより深い議論ができたと感じています。
また、今回の取り組みは、私たちとNTTデータさん双方の熱量が噛み合った感じがしました。私たちもやりたいと感じていたテーマでしたし、NTTデータさんからも支援の提案をいただき、お互いの熱量がうまく合致したと感じています。
プロジェクトの結果を実践に。これからが西鉄にとっての本番
薄井さん:今回の取り組みは、今後の業務に活かせていけそうでしょうか?

田中さん:今日の最終報告会でまとめていただいたものを、今後どう業務に落とし込んでいくのかはすぐに検討を進める予定です。また、今回のプロジェクトで考えたテーマについては今後も議論しつづけないといけないと思っています。
今回検討したことを、これで終わりにせずしっかりと実践していくことが重要だと思っています。西鉄は、お客さまが日常使いしてくれるところや日常の生活導線上にある利便性が価値だと感じていますので、私としてはそこにしっかりとフォーカスしていきたいですね。
西岡さん:これまで漠然としていた、西鉄における商業施設の方向性、デジタルについての考え方がしっかりと言語化できたのは大きな成果です。今後こうした方向性を基にした戦略策定とデジタル施策検討を経て、実業務に落とし込んでいくことになると思います。そういった今後の検討の中で迷ったときや壁にぶつかったときに立ち戻れる部分を作れたことが一番よかったと感じています。


3か月のプロジェクトによって導き出された“西鉄さまにおける商業施設の未来像や事業コンセプト”は、西鉄さま・NTTデータといった会社の垣根を超えてぶつかり合ったみなさんが生み出した、熱い想いの結晶でした。この想いを西鉄さまがどのように具現化するのか、そして、NTTデータはお客さまに寄り添うパートナーとして、今後も西鉄さまとともに力を合わせ、新しい価値を生み出していく展開には目が離せません。
NTTデータは、さまざまなお客さま企業のビジョン策定や戦略構築などから寄り添い、ビジネスを共創するパートナーとして、引き続き取り組んでいきます。
お問い合わせ窓口:Ayaka.Ichiki@nttdata.com/Yuki.Usui@nttdata.com (企画営業担当:市木、薄井)

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