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自社商品の口コミがなくても大丈夫!商品開発・改善に活かせるSNSデータ活用法!

「自社商品の口コミがSNSに全然出てこない=SNSデータの分析は不要!」と思いがちですよね。しかし!SNSはそんな場合でも活用できる生活者データの宝庫なのです。本記事では、自社商品の口コミがなくてもSNSデータを有効活用するためのアイデアについて、事例を交えつつご紹介します。

SNSデータの活用 「ソーシャルリスニング」とは?

「SNSデータを活用する」取り組みは「社会の声を聴く」という意味で“ソーシャルリスニング”と言われます。ソーシャルメディア(SNS)で収集した生活者の声を分析し、その結果をマーケティングや商品開発などの企業活動に活用することを示します。ソーシャルリスニングを行うメリットは、主に以下のようなものです。

「世間の声」として提案時の大きなエビデンスとなる
アンケートを利用しなくても、世間では~/他社では~と定量的/定性的両方のデータを収集することができるので、社内/社外問わず提案時の根拠として利活用可能です。

アイデアを生活者のニーズから見つけることができる
普段商品を利用しているお客さまの目線で、「もっとこうしてほしい」「こんな商品があればいいのに」という意見を発見することができます。

話題になっている商品や、人気の理由を収集できる
自社の業界やターゲット層で話題になっている商品や、人気の理由について情報収集することができます。

しかし……

「SNSデータを活用している企業、増えているな…うちも使ったほうがいいのかな~。よし、SNSでうちの商品を検索してみると…おや、何も出てこない。なんだ、SNSってうちでは使えないのか~。」

……という場面、ありますよね。でもご安心ください!本記事では、NTTデータのサービスであるTwitterデータ分析ツール「なずきのおと」を利用し、自社商品の口コミがなくてもソーシャルリスニングを活用できるアイデアをご紹介します!

業界全体への具体的な声から、自社の活動・商品のアイデアを見つける!

自社の活動や商品に対する新たなアイデアについて考えるには、「業界全体に対する生活者ニーズを把握すること」が実は重要です。そのため、「自社名」や「自社商品名」でSNSデータがヒットしない場合、業界全体のニーズを検索対象とすることで、自社でも有効活用できる情報を増やすことができます。また、欲しいデータをピンポイントで見つけるには検索キーワードの工夫が重要です。以下、SDGsを例に具体的な検索方法を見てみましょう。

<例1>自社のSDGsの取り組みに対する改善アイデアを得たい

  • よくある検索方法…「自社名」×「SDGs」で検索
  • 上記で出ない場合…「企業」×「SDGs」×「パッケージ OR ラベル」などで検索

SDGsなど、自社の活動に対する情報を収集したい場合、「企業」のような大きな括りとなる一般名詞をキーワードにしてみるのが有効です。そうすることで、生活者からの「企業のSDGs活動ってどういうイメージを持たれやすいのか?」を幅広く拾うことができます。さらに、「企業」だけだと範囲が広くなりすぎてしまうため、生活者のタッチポイントのひとつである「商品ラベル」に関するキーワードを含んでデータを収集します。こうして検索した結果の一例が、以下のようなものです。

  • 企業Aが従来品と比較して包装材使用料を24%削減した新パッケージを発表。 こういう取り組みをしている企業は応援したくなる #SDGs
  • 原材料高騰によって内容量を減らして対応する企業が多いけれど、それならパッケージも小さくして欲しい。開けた時のガッカリ感も減るし、SDGs!経費削減!というのならパッケージを小さくすれば良いのに
    注)対象ツイートは一部抜粋・加工しています。

これを参考に「SDGsを意識して、商品パッケージのデザインをバリアフリーなイメージや素材にしたり、再生可能な素材を活用したりするのはどうか」など、自社のSDGs活動の改善案を検討する際のエビデンスとして活用できそうです。

<例2>自社商品に対する改善アイデアを得たい

  • よくある検索方法…「自社の商品名」で検索
  • 上記で出ない場合…「商品カテゴリー」×「機能 OR 性能 OR 便利 OR 嫌」などで検索

自社商品名で口コミが出てこない場合、例えば「炊飯器」のような商品カテゴリーでデータを集めることで、間接的に自社商品に対する世間の反応を推測することが可能です。また、より参考になるツイートを集めるために「機能」などの特性に絞るキーワードや、「便利」「嫌」などの具体的な感想を拾うためのキーワードを合わせて検索するとよいでしょう。今回は一例として、「炊飯器」のカテゴリーで検索してみました。

  • 炊飯器で簡単調理!ってあるけど炊飯器に匂いつくの嫌なんだよな
  • 炊飯器でオレオケーキ作ろうとしたら、翌日のご飯オレオの匂いするからやめろって言われたw
  • たしかにそれは嫌だwwww
    注)対象ツイートは一部抜粋しています。

こうしたツイートを参考に、自社商品に対する口コミが無かったとしても、「匂いが付きにくい加工、製品の開発」や「料理用の窯とお米用の窯の2つセットでの販売」などのアイデアから、自社商品に合った対策を検討することができそうです。

市場の定量・定性分析から、新商品のアイデアを得る!

新商品を検討する際には、「現在の市場では何が人気なのか」「どういった顧客が多いのか」といった市場の定量・定性分析も重要です。以下では、SNSデータを元に把握できる市場の情報と、それを活用して考えられる新商品の方向性について、事例をご紹介します。

担当者のイメージとやりたいこと

  • 食品メーカーX社・商品開発担当
  • 冷凍食品のジャンルを強化するため、新商品のアイデアを得たい

ソーシャルリスニングで明らかにしたいこと

  1. 冷凍食品の人気商品について、その人気の理由を把握したい
  2. 冷凍食品はどんな時間帯に食べられているのか把握したい

1. 冷凍食品の人気商品について、その人気の理由を把握したい

「冷凍食品」というキーワードと一緒に出てくる企業名のランキングをみれば、話題になっている商品が把握できそうです。また、生活者の口コミの内容を読むことで、その商品が「なぜ人気なのか」「だれに人気なのか」を探ってみましょう。まずは、「冷凍食品」というキーワードでツイート全量を検索し、一緒につぶやかれている企業名を抽出してみました。

企業名ランキング

結果、「コンビニA」を含むツイートの量が圧倒的に多いことが把握できました。次に、「冷凍食品」×「コンビニA」のキーワードで検索。なぜ人気なのか?の要因分析を行います。得られたツイートは以下のようなものでした。

  • また育児や家事のご褒美に 買いたいな〜と思う商品でした #コンビニAの冷凍食品当たった
  • 嬉しすぎる…コンビニA様 育休中のご褒美ランチ #コンビニAの冷凍食品当たった
  • ありがとうコンビニA✨ お昼のご褒美にする! #コンビニAの冷凍食品当たった
    注)対象ツイートは一部抜粋・加工しています。

内容をみると「#コンビニAの冷凍食品当たった」というハッシュタグの通り、冷凍食品のプレゼントキャンペーンが盛り上がっていることが分かりました。一緒につぶやかれているキーワードとしては「ご褒美」「育休/育児」「ランチ/お昼」などが目立ちます。コンビニAがキャンペーンを行っていた商品は「高級感のあるパスタ商品」だったので、「ご褒美」というキーワードも納得です。

主に育児世代がこのキャンペーンを支持していることが分かるので、自社も同様のターゲットを狙う場合は商品内容やキャンペーン内容を参考にすることができそうです。

2. 冷凍食品はどんな時間帯に食べられているのか把握したい

「冷凍食品」×「朝・昼・晩などの時間軸のキーワード」で検索をかければ、どの時間帯で多く冷凍食品が食べられているのか把握できそうです。そこで、「冷凍食品」×「朝 OR モーニング」/「昼 OR ランチ」/「夜 OR 晩 OR ディナー」という条件で、3種類の食事の時間帯別キーワードで検索してみました。(キャンペーンを省くためリツイートを除く。)

冷凍食品×食事の時間に関するキーワード別話題量比較

「冷凍食品」と一緒につぶやかれている時間帯は、夜>昼>朝の順番で量が多いことが分かりました。では、ツイートの多かった夜・昼では具体的にどんなツイートがされているのでしょうか。

「晩」のキーワードを含むツイート

  • 冷凍食品だけで作った夜中のズボラ飯
  • 今日の夜は何もしたくなくて冷凍食品に頼る😇

「昼」のキーワードを含むツイート

  • お昼飯。 『台湾まぜそば』(冷凍食品)。 相変わらずのことながら、オプションで追加具材を入れることで栄養価を高めていく。
  • お昼ごはん🙂 冷凍食品のナポリタンに、厚切りベーコンを搭載してみました
    注)対象ツイートは一部抜粋しています。

ツイートの内容をみると夜には「何もしたくない」「ズボラ」などの理由から冷凍食品を選択する人が多いことが分かりますが、お昼には「冷凍食品に自分で具材を追加して食べる」という口コミがいくつか確認できました。これを参考に、「需要が最も高い晩ご飯向けの“調理が楽な商品”を作る」、「次に需要が高い昼ご飯向けの“アレンジ自在な商品”を作る」など、時間帯に合わせた商品の検討の参考になりそうですね。

自社商品の口コミがなくても、SNSデータを活用できる!

本記事では「自社商品の口コミがSNSに全然出てこない!」という企業でも、SNSデータを活用するアイデアについて一部ご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。生活者の具体的な意見を拾ったり、ランキングや時間帯別キーワードを利用して市場の傾向を把握したり……と、目的に応じた工夫をとることで有効なデータを収集頂けることを体感いただけたでしょうか。

今までは「どうせSNSにうちの商品の口コミはない…」と諦めていた皆様も、これをきっかけにぜひ生活者の声を活用した商品開発・改善にチャレンジしてみてください!


分析対象

  1. 今の冷凍食品の人気商品について、その人気の理由を把握したい
    キーワード:「冷凍食品」を含むツイート全量と一緒につぶやかれている上位企業名トップ5
    分析期間:2023/1/21
  2. 冷凍食品はどんな時間帯に食べられているのか把握したい
    キーワード:冷凍食品 AND(朝 OR モーニング)/(昼 OR ランチ)/(夜 OR 晩 OR ディナー)
    分析期間:2023/1/20-2/15

トータル解析サービス「なずき」

なずきのおと

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